ある程度経験を積んだプレイヤーであれば、ポジションの重要性を理解しているはずです。
しかし、実際のポジションの価値を変え得る概念があり、それが相対ポジションです。
この相対ポジションというのは、プリフロップレイザーに対するあなたのポジションの事です。
簡単に言うと、プリフロップレイザーの右隣の方が、左隣よりも良いポジションという事ができます。実際のポジションは左隣の方が有利なのにも関わらずです。
一旦プリフロップレイザーは置いておいて、フロップでのあるベッティング状況を考えて見ます。
プレイヤーがフロップでベットすると、そのゲームに参加しているプレイヤーのアクションがリセットされるという事を念頭に置きましょう。
例えば、あなたがBTNに座っていて、あなたの前に2人のプレイヤーがアクションしているとします。彼らをプレイヤーA、プレイヤーBと呼びます。
普通のポジションの例
プレイヤーA:チェック
プレイヤーB:チェック
あなた:チェック
ベッティングラウンド終了
プレイヤーA:ベット
プレイヤーB:フォールド
あなた:コール
ベッティングラウンド終了
どちらの場合も、あなたはBTNなので全員のアクションを見た後にアクションしています。
こういった普通のポジションにおいてはBTNは有益です。
相対ポジションの例
それでは、プレイヤーBがベットした場合はどうでしょうか?
プレイヤーA:チェック
プレイヤーB:ベット←ここでベッティングサイクルがリセット
あなた:コール
プレイヤーA:コール
ベッティングラウンド終了
先程の例とは異なり、あなたがBTNという最高のポジションを持っているにも関わらず、プレイヤーAでアクションが終わっています。
こういった事象は時々起こりますが、BTNのあなたはすべてのプレイヤーのアクションを見てからアクションしているので大きな問題ではありません。
にもかかわらず、相対ポジションがクリティカルになる理由はCBの存在です。
相対ポジションとCB
テキサスホールデムでは基本的にプリフロップレイザーが存在します。(リンプインで終わった時を除く)
そして、プリフロップレイザーは彼までチェックで回るか、彼が最初にアクションする状況であればCBを打つのが一般的です。
ドンクベットの章でも紹介しましたが、「プリフロップレイザーまでチェックで回す」という教科書プレイがあるため、プリフロップレイザーまでのプレイヤーは機械的にチェックする事が多いのです。つまり、プリフロップレイザーまでにチェックしたプレイヤーは弱いハンドからモンスターハンドまで、あらゆるレンジのハンドを持つ事ができます。強い手を持っている可能性のあるプレイヤーとCBを打っているオリジナルレイザー、あなたはこの2人のプレイヤーに挟まれているという状況になります。
相対ポジションとCBの例
あなたがQ♣J♥を持っており、BTNに座っています。COが3BBにオープンし、あなたコール、SBコールと進んでいます。
フロップ:Q♦7♠6♣
SB:チェック
CO:ベット、ポットの8割のサイズ←ここでベッティングサイクルがリセット
あなた:??
SB:??
ここでの大きな問題は、SBがあなたの後にアクションするという事です。
彼は教科書プレイをしており、彼のチェックは弱みでも強みでもありません。彼は弱いハンドから強いハンドまで全て持つ事ができます。
この時あなたは、より強いハンドを持つ可能性のある2人のプレイヤーにサンドイッチされています。
ここでのコールは全く悪くはありませんが、SBがレイズした場合はあなたはチップを失う事になるかもしれません。SBがコールした場合は、ターンでもあなたはサンドイッチされる事になります。
ここまででわかる通り、あなたはBTNというポジションの有利さに期待して参加したにもかかわらず、今や相対ポジションとCBの存在によってあなたのポジションの価値は著しく下がってしまっています。
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