ハンドレンジは以下の3つに大別できます。
- バリューレンジ
- ブラフレンジ
- マージナルレンジ
特にバリューレンジとブラフレンジの組み合わせの比率をValue to Bluff Ratio (以下VBR)と呼び、この比率は相手のベットにコールするか判断するのにも使えます。
バリューレンジ
その名の通り、バリューベットを打つ事ができるハンドの組み合わせで構成されます。
例えば、相手のハンドレンジが上位5%のハンドだとすると、
88+、AKs、AKo、AQs、AJs、KQs
が該当します。
この時ボードが、
K♣8♣10♦4♥3♠
とすると、バリューベットを打てるのはどのハンドでしょうか?
まず、相手のハンドレンジ総数は56通りです。
バリューベットをTPTK以上とすると、
- TPTK:AA、AKs、AKo (18通り)
- セット:KK、TT、88 (9通り)
があり、全部で30通りとなります。
相手の56通りのハンドの内、27通り (48%)がバリューベットを打てるレンジという事になります。
ブラフレンジ
相手のハンドレンジの中でブラフベットを打つハンドの組み合わせの事です。
先程と同じ例では、どのハンドがブラフレンジでしょうか?
相手のハンドレンジ:88+、AKs、AKo、AQs、AJs、KQs
ボード:K♣8♣10♦4♥3♠
ベットがブラフとなるのはノーペアだとすると、
- ノーペア:AQs、AJs (8通り)
が該当します。
相手の56通りのハンドの内、8通り (14%)がブラフを打ち得るレンジという事になります。
マージナルレンジ
マージナルレンジは、弱くはないけどバリューベットを打てる程強くもない微妙なハンドの組み合わせです。
上記の例であれば、
KQs、QQ、JJ、99が該当し、21通りの組み合わせが存在します。約38%がこのマージナルレンジに該当する事がわかります。
もちろん、このレンジは相手がどんなプレイをするのかに大きく依存します。
例えば、相手がトップヒットだけでバリューベットを打てるプレイヤーであればバリューレンジにはKQsが追加され、レンジは大きくなります。
バリューレンジ、マージナルレンジ、ブラフレンジの境界にあるハンドは相手によって調整する必要があります。
ポラライズ
ポラライズとは、相手のハンドがバリューレンジとブラフレンジしかない状態の事を言います。
例えば相手がプリフロップで3betをした後、ショウダウンでK♣3♦を見せたとします。しかし、同時に3betをしなかったポットで9♠9♦をショウダウンしています。
この相手があなたのオープンに3betしてきた時、相手は本当に強いハンドを持っているから3betしたか、プリフロップブラフであなたを降ろそうと3betしているかの2択になります。これがポラライズされているという状況です。
他にも、リバーでポラライズする事もできます。
ボードにJ♥10♦5♠Q♣K♦とある状態で、あなたはK♠J♠でベットしました。相手はレイズを返してきています。相手は普通、このボードでセット、2ペア、ローストレートでレイズはしてこないプレイヤーです。
この場合も、相手はポラライズされています。A持ちのナッツか、ブラフであなたを降ろそうとしているのです。
ではこのポラライズがわかったとしてどんなメリットがあるのでしょうか?
相手がポラライズされているとわかれば、物事は遥かに簡単になります。なぜなら、本来であれば「様々なハンドを考え今までの情報に基づきハンドリーディングをする」というという作業が必要だったのにも関わらず、ポラライズされていれば相手のバリューレンジとブラフレンジの2つしか考える必要がなくなるからです。
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