スモールボールとはトーナメントにおいての戦い方の事です。他にも、ロングボールという戦い方があります。
スモールボールは「ポットサイズを小さく抑える事で飛んでしまうリスクを最小化しつつ、堅実に勝ちを積み重ねる戦い方」です。
ロングボールは「良いハンドでオールインする事でビックポットを勝ち取る戦い方」です。
Youtubeでトーナメントの動画を見ていると、プリフロップのレイズ額が2倍~2.5倍ほどである事が気になっていた方は多いはずです。3倍にレイズする事が一般的な中で、これはスモールボール戦略の典型的な例と言えます。
スモールボールという戦い方はDan Harringtonというプロが著書の中で紹介した非常に高度な戦い方です。その後、皆大好きDaniel Negreanuによって一般的に広められました。(実際は他の多くのプロがそれ以前から使用していました。言語化したのがこの2人というだけです)
基本的にスモールボールは非常に高度なスキルを必要とします。ポットサイズを小さく保つ事でオールインされる or する事を避け、フロップ以降全てのベッティングラウンドでミスする事なくプレイする必要があるためです。これによって、負ける時は小さく負け、勝つときは堅実に勝つという戦い方です。
これにはハンドリーディング、テルやアクションなど使える情報全てを使って戦うため、幅広いスターティングハンドをプレイする事になります。
スモールボールは主にMTTトーナメントで使用される技術です。
スモールボールの利点
この戦い方の利点は以下の3つに集約されます。
- ルースなテーブルイメージの形成
- 相手がより弱いハンドでコールする事
- 強いハンドでこれらを利用できる事
スモールボールでは幅広いハンドをプレイする事になり、ルースなテーブルイメージを作る事ができます。これによって、相手はあなたのベットに弱いハンドでコールしやすくなります。また、相手はあなたをルースアグレッシブと思っている為、あなたが強いハンドを作った時により多くのブラフやベットに付け込む事ができます。
スモールボールをしていると、強いハンドが来た時に相手からわかりづらく、相手は平凡なハンドでチップをポットに入れてしまうのです。
長期的には、あなたがマージナルハンドでのベットやレイズで失うチップは、相手がマージナルハンドでコールするチップを下回る事になり、収益的な戦い方と言えます。これが小さくベットする事が重要である理由です。
ここまでの説明の通り、スモールボールにはルースアグレッシブなテーブルイメージが必須です。あなたが前のターンでマージナルハンドをショウダウンする事により、強いハンドが入った時に相手に最大限ミスを犯させる事でチップを獲得するのです。
スモールボールの心得
スモールボールの方法ですが、以下に心得を纏めています。
- 出来る限り多くのハンドをポジションがある状態でプレイする
- ポストフロップで相手よりも上手くプレイする
- スターティングハンドを適切に選ぶ
- 弱いハンドをプレイする時はドローハンドを選ぶ(ストレートやフラッシュ)
スモールボールをする時は、ポジションを有効活用する必要があります。UTGやEPから2.5BBにレイズはおススメできません。BTNやLPの時の為に、レイズは節約した方が良いでしょう。
ポジションがある状態でマージナルハンドのコーラーを作る事が最も重要な事です。
なぜなら、繰り返しになりますがスモールボールはフロップ後に技術で相手を圧倒する戦い方です。ポジションがあるだけで相手を圧倒するのは遥かに簡単になります。
スモールボールを成功させるためには、スターティングハンドを適切に選ぶ必要があります、多くのハンドで参加するスタイルではありますが、なんでもというわけではありません。プレミアムハンドでないのであれば、レイズしたハンドに何かしらの可能性がある事が重要です。
スモールボールは小さくレイズするためスチールできる可能性が低く、それだけフロップ後に何かしらの可能性がある必要があるためです。
ミドルペアやトップペアでベットする場合は、深入りしすぎないように注意する必要もあります。殆どの場合あなたのキッカーは弱く、こういったハンドでポットを大きくしていまうと元も子もありません。
スモールボールのタイミング
この戦い方は、スタックのサイズに比べてブラインドが小さい状況で最も効果的です。つまり、MTTとSNGの序盤や、ディープスタックキャッシュゲームなどです。
しかし、トーナメントの終盤になるにつれ、ブラインドは大きくなるのでスモールボールを続ける事はできなくなります。フロップ後のプレイの余地が殆どないためです。トーナメントの終盤ではマージナルハンドでスタックの25%程を入れておく事がベストなアクションになります。
ロングボールとは?
ロングボールはスモールボールとは違い、ターン以降をプレイする事は殆どありません。プリフロップかフロップでオールインするためです。
ロングボールの利点は、スモールボールをするような格上のプレイヤー相手にじゃんけん勝負を強要する事です。つまり、相手とのスキル差をプリフロップやフロップでオールインする事で縮めるのです。
つまり、スターティングハンドは良いハンドが必要なため、タイトに戦う必要があります。
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