ICMとバブルライン

ポーカー攻略 | トーナメント編

聞きなれない単語ですが、ICMはトーナメントをプレイする上で大事な概念です。Independent Chip Modelの略語です。

バブルラインとは、トーナメントで入賞直前の状況を指します。例えば、上位5名に賞金が出るトーナメントで残り6人という状況はバブルラインです。

キャッシュゲームとトーナメントの違いはなんでしょうか?
キャッシュゲームにおいては、スタックがいくらあるかは簡単に把握できます。目の前に100ドルあれば、それは単に100ドルです(当たり前すぎですね)。
しかし、これはMTTやSNGには当てはまりません。あなたが10,000チップを持っていたとしても、このチップの価値を知る事はできません。これを計算するのがICMです。

ICMの計算には以下の2つが必要です。

  • トーナメントストラクチャ(賞金の分配方法)
  • 残っているプレイヤーのスタックサイズ

ICMは純粋に数学的な概念であり、今まで紹介したものとは異なり、ポジションやプレイスタイル等は関係ありません。

ICMはファイナルテーブルでディール*する時にも使用します。少なくとも、交渉の出発点はICMになります。
*残ったプレイヤーで優勝者を決める事なく、交渉によって賞金を決める事。例えば最後の2人になった後、HU対戦をせずに話し合いでどちらがいくらの賞金を貰うか決める事ができます。


ICMの一例

とても簡単な例で考えて見ます。1位から順に500ドル、300ドル、200ドルの賞金がでるトーナメントで、3人が残っているとします。
スタックサイズは1位から順に9000、3500、2500とします。ここでのICMは以下の通りです。

一番右側のResultsを見ると、それぞれが持っているスタックの価値を見る事ができます。

チップリーダーは全体の60%のチップを持っているのにも関わらず、彼のスタックの価値は410ドルしかありません。賞金プールの41%です。

3位のプレイヤーは、3位の賞金よりも80ドル多くスタックの価値がある事がわかりますね。これは、彼にも上位でフィニッシュするチャンスがある為です。

このサイトで無料で計算できる為、必要があれば使用するのをおススメします。自分で計算する事はもちろんできますが、人数が多ければ計算はかなり複雑になるため、こういった無料サイトを活用する事をおススメします。


ICMの実例

ICMが最も大事になるのは、バブルラインに居る時です。

例えば、以下の状況であなたはどうするかを考えて下さい。

あなたは今セカンドチップリーダーで、[invalid notations]AdKd[invalid notations]をもっています。現在4人残っており、3位から入賞になります。

チップリーダーがBTNでオールインしました。あなたはBBで決断を迫られます。殆どの人はここで[invalid notations]AdKd[invalid notations]でスナップコールするはずです。あなたのハンドは彼のオールインレンジより遥かに強い事は明らかですが、それは数学的に正しいアクションでしょうか?

ICMの観点からは、フォールドが正解でした。なぜでしょうか?

あなたはこのオールインに負けると、賞金はゼロになる事に注意して下さい。
この場合だと、COのプレイヤーは次のハンド以降でもそこそこのハンドでオールインするはずです。あなたの代わりに誰かが飛べば、3位以上が確定し、ITM*を確定させる事ができるのです。
*In The Money:入賞

先程のハンドチャートを見ると、AKやAQは全てフォールドを示している一方、88+のポケットペアでコールする事が数学的にはプラスになるという事がわかります。

これは、チップリーダーのハンドレンジを考慮するとTTなどのオッズが非常に高くなるためです。なぜなら、チップリーダーはもちろんICMを知っており、あなたがこのオールインに簡単にコールできないと知っているのです。

こういったバブルラインでは、オールインに負けて賞金がゼロになるプレッシャーが最も高くなります。こういった状況では、相手からオールインを引き出すのではなく、アグレッシブプレイを利用して自分からオールインする事が非常に良い戦略になります。
彼らは自分のハンドがベストとわかりつつも、数学的には間違っているためフォールドせざるを得ないのです。

しかし、一度ITMが確定すると、このICMプレッシャーが無くなる事に気を付けて下さい。相手は遥かに簡単にコールできるようになります。


ICMのリスク

ここまで読んだ方は全員わかっている通り、ICMプレッシャーを利用したプレイは、相手がICMを理解していないと全く意味がありません。バイインが少ないトーナメントや、SNGでよく見られますが、ICMプレッシャーを利用したオールインにサクッとコールされて負けているレギュラーを見た事もあります。(その時私はAKをフォールドしていました)

他にも「本能」でプレイしている相手にも効果がありません。ガスハンセンというプロが有名ですが、彼はT8でオールインにコールしたりします。(その時相手は77でした)


バブルラインでのプレイ

ここまでで明らかなように、バブルラインではAKを捨てる等特殊な状況になります。
このバブルラインでは、あなたは先に方針を決めておくのがいいでしょう。

  • 入賞する事に重きを置き、タイトすぎる位タイトに打ち入賞を確定させる
  • 優勝する為にプレイし、アグレッシブに攻める

もちろん、数学的に正しい判断をするにはICMを計算すればいいだけなので簡単です。

以下ではビックスタックで迎えたバブルラインと、ショートスタックで迎えた時でどのような選択肢があるか整理しました。


ビックスタックでのバブルライン

この場合は、非常に簡単にプレイできるはずです。ビックスタックは相手に途轍もないプレッシャーを与える事ができるため、相手はあなたのレイズにコールやレイズしにくいのです。もしレイズしてオールインが返ってきた場合、相手は非常に難しい決断をしなければなりません。

  • ICMプレッシャーを利用してルースアグレッシブに攻める
  • ハンドを絞り、入賞をまず確定させる

1. ICMプレッシャーを利用してルースアグレッシブに攻める

ICMでも説明した通り、あなたがルースに攻めていると他のプレイヤーが知っていたとしても、数学的にはコールが正当化されない場合が殆どです。そもそも、相手は自分を飛ばす事をできるビックスタックと打ち合うのを避けたいという心理状態にもなっていますので、ルースアグレッシブにプレイする事は非常に効果的です。
これによってスチールを成功させまくり、よりスタックを築く事ができます。

2. ハンドを絞り、入賞をまず確定させる

ビックスタックであれば、ブラインドの影響をそこまで受けません。つまり、それだけ良いハンドを待つ余裕があるのです。
他にも、サテライトのようなトーナメントでは上位5名にメインイベントの参加権といったストラクチャになっている事が多く、1位だろうが5位だろうがプライズが変わらないという事もあります。
この場合では危険を冒す意味が全くないので、入賞を確定させる事が合理的なプレイになります。

ショートスタックでのバブルライン

この場合は難しい決断になる事があります。ICMに基づきプレイするのが最も合理的ですが、ここでの選択肢は2つです。

  • 良いハンドでオールイン
  • 耐えて他のショートスタックが飛ぶのを待つ

1. 良いハンドでオールイン

ショートスタックだと、ポジションによっては他のショートスタックよりも先にブラインドが回ってきて自然死が濃厚といった状況になります。
この場合、どこかでオールインするしかありません。もし1回でもスチールやダブルアップに成功すれば入賞は近くなります。
ICMによればコールできないと言いながら自然死してしまっては元も子もありません。こういった時はそこそこのハンドや、ドミネイトはされていないなと思えるハンドでオールインするしかないでしょう。

2. 耐えて他のショートスタックが飛ぶのを待つ

状況にもよりますが、自分より明らかに超ショートスタックがいる場合は、一旦耐えるという事も考えられます。彼が飛べば入賞できるのです。しかし、彼が飛ぶのを待つあまりAK等を捨てるのはおススメしません。
超ショートスタックでも一度ダブルアップされれば今度はあなたの番になります。
ショートスタックではICM等数学的に正しい判断ではなくとも、行くべき状況というのはあります。もうこのトーナメントでAKは来ないなと思ったりした場合はオールインすべきです。チップリなどはあなたを飛ばす為に弱いAなどでコールする事が十分に考えられます。

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