シンバリューとは、直訳すると「薄いバリュー」という意味になります。バリューベットと似た概念ですが、こちらはマージナルハンドで取れるバリューを表しています。バリューベットのバリューは強力なハンドで取りにいくものでしたよね。
このマージナルハンドから薄いバリューを取るスキルは、Good playerからGreat playerになる為に必要な能力です。プロとアマチュアの違いとも言えるでしょう。
何故薄いバリューというのでしょうか?ちょっと複雑ですが、図示してみたのでご覧ください。

一番左は普通のバリューベットです、あなたのベット額+相手のコール額の合計にあなたが勝つ確率をかければ大きな収益を生み出す事がわかります。
次に、真ん中はシンバリューベットになります。同じベット額ですが、あなたが勝つ確率はバリューベットの時よりも下がります。それにより利益が少なくなり、上記のようなイメージで薄いバリューと呼ばれます。
最後、一番右は弱いハンドでベットした場合です。あなたが勝つ確率は低く、大きなマイナスバリューになってしまいます。
シンバリューベットの例
あなたのハンド:Q♠J♠
ボード:J♥7♠A♦4♦2♣
あなたは2番目に強いワンペアになっています。しかしバリューベット出来るほどではありません。
ここであなたがベットしたとするとそれはシンバリューベットでしょうか?
もし、あなたは何らかの情報に基づき、相手がA等は持っていなく、かつTT等のマージナルハンドを持っており、あなたのベットにコールしてくれると思ってベットしたのであればそれはシンバリューベットと言えるでしょう。
あなたはチェックして安全にショウダウンできたにも関わらず、ベットする事で薄いバリューを獲得しに行ったのです。
しかし、このシンバリューを獲得する技術は簡単ではありません。
ではこのシンバリューベットのメリットはなんでしょうか?一見すると非常に危険なアクションに見えます。
シンバリューベットのメリット
メリットは2つあります。
1つ目は当たり前ですが、あなたはより多くのチップを獲得する事ができます。チップを稼ぐ機会があれば、常にそれを取りに行くべきです。たとえあなたがマージナルハンドだったとしても勝っていると思うのであればベットすべきなのです。
2つ目は、あなたのハンドレンジをバランシングさせることができます。バランシングの章でも説明している通り、あなたのハンドレンジがバランスしていると相手はより多くのミスを犯す事になります。
効果的なシンバリューベット
効果的なシンバリューベットをするためには、2つ必要な事があります。
- 相手のハンドレンジを出来る限り正確に予測
- そのハンドレンジの中で、「シンバリューベットにコールできそうだけどあなたに負けるハンド」と「あなたが負けているハンド」の組み合わせを比較する
まず、1つ目はこれまで説明してきたハンドリーディングが必要不可欠です。相手がそれまでにしたすべてのアクション、仕草、テル、プレイスタイル、相手の精神状態等を考慮した上で、ハンドリーディングをします。
これができなければ、リバーでのベットは暗闇の中を歩くようなもので意味あるベットではありません。そういった場合はチェックがベストアクションです。
2つ目は相手のハンドレンジの中で、あなたのシンバリューベットにコールできるハンドを数えるという事です。ハンドリーディングができても相手がコールできないといけません。あくまでもバリューベットなのでコールしてもらいたいのです。
相手のレンジに、あなたのベットにコールできるハンドが沢山あり、かつあなたが勝っている場合は明らかにベットすべきです。
しかし、あなたが打ち負かされているハンドが多い場合はベットする価値はありません。
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