ポーカーでまず最初に覚えるべき概念がバリューベットです。バリューベットとは利益を最大化を目的としたベットです。
バリューベットとは
バリューベットはあなたがベストハンドを持っていて、利益を最大化したい時にするベットです。
つまり相手がコールしてくれそうなギリギリのサイズのベットです。
同じベットでも、バリューベットはブラフと本質的に異なります。ブラフは相手のフォールドを期待していますが、バリューベットはコールを期待しています。
上級者が行うバリューベットは相手のハンドレンジに基づき、「相手は○○を持っているだろうからこのくらいのサイズだろう」と、常に根拠に基づいているので、利益の最大化に貢献しています。
一方で、初心者プレイヤーは、「ナッツだ!ポットベット!オールイン!」のような形でベットしている事も多く、相手を降ろしてしまって利益を最大化できていない場合がよくあります。逆に小さすぎてバリューを逃している事もよくあります。
適切な額のバリューベットをするという事は、ポーカーで勝ち組になる為にマスターしなければならない重要な要素です。
また、この適切な額のバリューベットをするためには相手のハンドを読むという事が不可欠になってきます。相手のハンドを読むリーディングについては同じく初級編の別稿で解説していますので、そちらも併せてご参照ください。
では、実例を交えて見ていきましょう。
あなたは100NL(100ドルバイインという意味の表記です)9人テーブルをプレイしています。
あなたはミドルポジションに座っていて、ハンドはXXとしましょう。
あなたが3ドル(BBの3倍)にレイズし、BB以外全員フォールド、BBがコールしました。
フロップ:(6.5ドル)Q♠9♥5♥
BBチェック、あなたは4.5ドルベット、BBコール
ターン:(15.5ドル)Q♠9♥5♥6♣
BBチェック、あなたは11ドルベット、BBコール
リバー:(37.5ドル)Q♠9♥5♥6♣8♦
BBチェック、あなたは26ドルベット
さて、この時のリバーでのあなたのベットはバリューベットでしょうか?
もしあなたのハンドがJ♥10♥であればもちろんバリューベットです。あなたはナッツを持っており、BBのハンドが何であれポットはあなたが獲得するためです。
それでは、あなたがAAやQJ、JJを持っていた場合はどうでしょうか?
こういったナッツではないハンドを持っている際は、相手のハンドがなにか?という事を考える必要があります。
相手はハートのフラッシュドローを追いかけていたのかもしれませんし、セットを持っているかもしれません、トップヒットも十分に考えられます。ここでは、BBの今までのベッティングスタイル等を勘案して相手のハンドを予想する必要があります。
例えばBBが典型的なタイトアグレッシブなプレイヤーで、熟練したプレイヤーだと仮定しましょう。
プリフロップの時点でこういったプレイヤーがポジションのないBBでコールするという事はAT+、77+のハンドが考えられます。
- AQであればトップペアトップキッカーであり、ターンまでのコールは合理的です
- AKであればフロップかターンでフォールドしているはずです。また、AKであればプリフロップでリレイズされている可能性が高いです
- JJやQQ、KK、AA等はどうでしょうか。これら全てプリフロップでレイズされているはずです
- Axsのハートはどうでしょうか?ここではオッズを考える必要がありますが、オッズはまだ解説していないのでここでは、Axのハートもレンジに入れておきます。
- 77からTTはどうでしょうか?88と99のセットには負けていますが、他のハンドには勝っています。
最終的にあなたがAAを持っていた場合、相手のレンジで負けているハンドはセットだけです。殆どの場合あなたが勝っているので。これはバリューベットです。
一方、QJやJJだった場合、あなたが勝っているのはAxのハートです、AQには負けています。
Axの組み合わせとしてはA♥10♥とA♥J♥、A♥K♥の3通りです。
一方、AQは12通りの組み合わせがあります。つまり、負けているハンドの方が多いので、最後のベットはブラフになってしまいます。
実践ではここでのベットは自分が負けている時はコールされ、勝っている時はフォールドされる状況なので、ベットしないに越した事はありません。
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