ギャップコンセプトとはDavid Sklanskyによって提唱されたポーカーにおける理論です。(彼は初級編で紹介したポーカーの基本原理も提唱している人です)
この理論は「自分からレイズする時よりも、レイズにコールする時の方がより良いハンドが必要である」という事を意味しています。
実例を出してみていきましょう。
あなたが9人テーブルミドルポジションでA♥J♠を持っていて、あなたまで全員フォールドした時、あなたがレイズするのは全く問題のないプレイと言えます。
ではUTGからタイトプレイヤーがレイズしている場合はどうでしょうか?この時、あなたのハンドA♥J♠の価値は著しく減少します。
なぜなら、UTGのプレイヤーは自分のハンドがほかの8人よりも優れていると感じているからこそレイズしているのです。これがBTNのレイズであれば、他の2人より優れていると感じればレイズできるので、そこまで強いハンドは必要ではありません。
つまるところ、アーリーポジションからのレイズはより多くのプレイヤーを打ち負かす必要があり、それだけ優れているハンドでないとレイズはできません。
こういったレイズに直面した際は、あなたはハンドをしっかり絞る必要があります。ハンドを絞る事で以下の2つの事を補うのです。
- ジャストコールする事による、ベットの主導権の放棄
- 相手があなたを打ち負かすのに十分に強いハンドだと感じている事
ここでハンドを絞らなければ、相手からドミネイトされるリスクが高まります。例えば相手がA♠K♠を持っていたらどうでしょうか。あなたのハンドはA♥J♠でドミネイトされており、事故の原因になります。
このようにドミネイトされる事を避けるためにギャップコンセプトという概念が生まれました。
近年では、YouTubeでプロが多く意見をだしており、このギャップコンセプトは一昔前のポーカー理論だと言われています。現在のアグレッシブなポーカーにおいては、ギャップが存在しないという理由です。しかし、これを鵜呑みにしてギャップコンセプトを軽視しないでください。
プロ達は我々とは全く違うゲームをプレイしています。彼らが座っているテーブルでは、相手のハンドリーディングが優れるあまり、自分のハンドを読まれないようにドミネイトされやすいハンドでも積極的に参加し、自分のハンドレンジを広げざるを得ないのです。
我々がプレイするテーブル(ローステークス以下)では引き続きギャップコンセプトは非常に有効な概念です。あなたが上級者やプロになり、このレベルではギャップが殆どないと感じた時卒業すればよいのです。
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